
きものを学ぼう ー西陣御召(にしじんおめし)とは?-
2023.03.31
みなさま、こんにちは。
本日も、帯みのりのblogを御覧くださり
誠にありがとうございます。
本日のテーマは、
ずばり「西陣御召(にしじんおめし)とは?」
最近とても人気の高い西陣御召。
みなさま知っておられる方もそうでない方も
着物好きの方は一度は聞いたことのある言葉だと思います。
御召の由来は、
江戸時代に十一代将軍 徳川家斉公が好んで
着用したことに始まります。
つまり「将軍のお召物」ということです。
正式には御召縮緬といい、
通称「御召」となりました。
ゆえに男物が始まりです。
のちに女性も着るようになり、
また定紋等も織られるようになり、
紋御召が発達していきました。
明治時代になると
一般の人々も紋御召を着用するようになります。
明治期は御召こそ正装。
戦前までは「御召」と言えば
「いい着物」と言ったくらいです。
戦後、昭和30年代に世の中が戦争から復活してきた頃、
御召は西陣をはじめ各産地で盛んに織られるようになりました。
この頃の御召にお洒落な模様のものが多かったことから、
御召は「正装ではない」と思われるようになってしまいました。
最近は、西陣御召ブームのような気がします。
しかし、西陣で織った着物がすべて御召ではありません。
西陣において御召というには一定の制約があります。
- お召緯(=八丁撚糸)を使用すること。
- お召緯とは、1メートルあたり2000~3000回転の撚り糸のことです。
(甘撚り糸…300回以下、並撚り糸…300~1000回、強撚糸…1000回以上) - 同じ回転数の撚りをかけた、右撚りのお召緯と、
- 左撚りのお召緯を交互に2回ずつ、
- 右右、左左と織ります。そして織上がりの後に湯の中に通して「シボ」を出し、
- 「手もみ」しながら巾をそろえて乾燥させるのです。
(乾燥には自然乾燥、機械乾燥の2つのやり方があります) - 白生地を染めるのではなく、染めた糸で織り上げたもの(=先染め)であること。
これらの条件で製織している「御召」は、
西陣でも2~3軒のメーカーのみです。
御召の良い点は、
右撚りの糸と左撚りの糸が同数入っているために、
シボの高さが一定であるところにあります。
ゆえに着用した時の「さばき」がいいのです。
だから将軍様にも好まれたのでしょう。
一方、縮緬のほうはというと、
目的により撚り数の異なるものを
いろいろに使用して風合いをつくります。
ゆえにシボの高さが複雑なのです。
戦後までは準礼装として、またお洒落着として流行し、
どの家庭にも必ず御召がありましたが、染めの着物が礼装の定番になると、
現代では御召を着用する人が少なくなり生産数も減少しました。
お茶席やパーティー、
ご挨拶の折など少し改まった場所から、
コンサート、お友達との会食、ショッピング、
裾さばきやお袖さばきがとっても良いので、
茶道やお花などのお稽古などカジュアルな場面まで
幅広いシーンで着用できます。
ぜひ、お気に入りの
「西陣御召」を探してみてください。
京都 西陣 帯みのり