きものを学ぼう 「ゆかたの歴史」
2023.06.29
みなさま、こんにちは。
本日も帯みのりblogをご覧下さり
誠にありがとうございます。
本日のテーマは「ゆかた」
爽やかな緑風吹きぬける初夏から、
どこか切なげで哀愁香る晩夏まで…
夏の風物詩の中でも
「ゆかた」はその代表格です。
現代では、
すっかり日本の夏の定番になっている
「ゆかた」ですが、
平安時代は
外に着るものではなく、
風呂場で着るものだったそうです。
衝撃!
ゆかたの起源は、
平安時代に始まります。
貴族が風呂に入る際に着用した
湯帷子(ゆかたびら)が
その原型とされています。
この当時のお風呂は、
専用の衣服を着て入る蒸し風呂で、
上の絵のように
大変人手のかかる大掛かりなものでした。
現代で例えると、
「サウナ」ですね。
熱い蒸気から身体を守るため、
風呂場の中で着るため、
薄い着物ということで、
湯帷子は麻織物でできていました。
ちなみに、風呂に敷いたこの敷物が
「風呂敷」という言葉の原型なんだとか!
風呂殿の中で体を温めて、
外に出てから浮いた
垢などをふいたりこすったりして、
その後お湯で流したそうです。
お湯で身体の汚れを落とすため、
貴族の中では
お風呂に入る、という現代の感覚ではなく、
「穢れを落とす」「禊 みそぎ」
としての役割があったようです。
なので、お風呂に入る日も
陰陽師に占ってもらって
入浴日を決めていたそうです。
ひょえー!
夏場の暑い時期に毎日お風呂に入らないと、
臭いが酷かったそうで、、、
宮廷でお香の文化が花開いたのも、
そういった背景があったからなんだとか。
安土桃山時代頃に
裸で湯に浸かる入浴習慣が生まれると、
湯上がりに肌の水分を吸い取らせるために着られるものとなりました。
江戸時代には、
ゆかたは
広く庶民に愛好されるものとなったようです。
上の浮世絵を見てみると、
入口から入って来る女性が、
浴衣を小脇に抱えているのが見えますね。
手のところに、手ぬぐいのようなものも見えます。
手前の湯上りの
女性の青の縦筋に亀の柄。凄くかっこいい。
江戸時代に日本で木綿が普及すると、麻織物に代わって、
より吸水性の高い綿織物の着物が用いられるようになり、
現代の浴衣へとつながります。
本来、浴衣は湯上りに身につける部屋着で、
また、昭和の洋装の一般化以降は寝巻きとしての用途が主でした。
このため、昼間から浴衣を着て外出するのは憚られました。
そうした認識は現在では薄れています。
コロナ禍も落ち着いて、
今年はお祭りや花火大会など、
多くの夏のイベントが開催されることと思います。
ぜひ、ゆかたを着て
今年の夏の風情を楽しんで頂きたいと思います。
帯みのりでは、
7/8(土)に
ゆかたの着付けレッスン会を開催予定です。
祇園祭前の最終おさらいとして、
また、初心者の方も大歓迎です。
当日、ゆかたやお値打ち価格の半巾帯、
夏着物や夏小物もご用意しております。
ぜひ、お気軽にお申込みください。
(夏物見学会のご予約は7/5水曜日まで)
25 | 5月 | 2023 | 京都西陣 帯の卸問屋 帯みのりのBlog (obiminori-blog.com)
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